症状
ジャンパー膝の症状は、初期段階では運動の後に痛みや違和感を感じる程度です。時間が経つにつれて痛みが悪化すると、①運動全般で痛くなる ②日常生活に支障がでる痛み ③何をしていても痛い と悪化していきます。
- 膝のお皿のすぐ下あたりに痛みを感じる
- ジャンプや着地、長距離走行の際に痛みを感じる
- 膝を曲げ伸ばしすると痛みがある
- 階段の上り下りや椅子からの立ち上がり時に痛みがある
- 熱を持ったり、腫れたりする
原因
- 大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)とハムストリングス(太ももの後ろの筋肉)の柔軟性低下
- ジャンプやダッシュなど、膝の急激な動作の繰り返しによるオーバーユース
- お尻周りなどの筋力低下
- 股関節、膝関節、足関節の可動域の低下
- 急激な運動量の増加や運動メニュー
- クッション性の低いシューズを履いて硬い地面での運動
- 運動中の不良姿勢
- 成長期で、骨の成長に筋肉が追いつかない
治療
- 運動療法…医師や理学療法士など、専門家の指示を仰ぎ、症状に合わせたリハビリを行います
- 薬物療法…湿布や痛み止めの内服、ヒアルロン酸やステロイドなどの注射で、膝の潤滑を高めます。痛みを抑え、関節の動きを滑らかにすることで日常生活でかかる膝への負荷を抑えられます
- 装具療法…サポーターやテーピングの圧迫によって、スポーツや活動時の膝蓋腱の過剰なストレスが減り、痛みの緩和や膝蓋腱の修復力が高まる効果が期待できます
- 運動器カテーテル治療…カテーテルを痛みの原因である血管がある場所の近くで抗生物質でできた薬剤を注入し、もやもや血管を死滅させます
- 体外衝撃波治療…衝撃波を患部に照射することで慢性的な痛みの軽減、組織の再生を促します
- PRP療法…採取した血液を抽出加工して作るRPP(多血小板血漿)を、患部に注射する治療です。PRPに含まれる成長因子が、傷ついた組織の修復を促進します
- 超音波療法…超音波の振動を利用した施術で、血行の改善や炎症の軽減、疼痛の緩和、組織の伸展性向上、治癒力向上などの効果が期待できます
整形外科で治療を受ける
まずは整形外科で診断を受けましょう。
軽度の痛み以上の症状がある場合は、レントゲンやMRIなど精密検査を行い、医師の診断を受けることが重要です。正しい治療・リハビリを受けずにいると受傷した箇所は正しく治癒せず、可動域の低下・関節の不安定さが残り、結果としてより悪化を繰り返してしまいます。
接骨院、整骨院で治療を受ける
接骨院、整骨院で治療を受けることで早期回復を促すことができます。症状の解消だけではなく、体全体のバランスを見て原因を追及するため、体全体の不調を取り除くことができます。
また、関連する筋肉の柔軟性を高める為にそれらの筋肉をほぐす手技や、電療機器を使った施術を行います。急性期の症状が改善した後、患部のトレーニングを行いバランスよく筋肉をつけ、テーピングなどを行い再発防止につとめます。
RICE処置
安静(Rest)
損傷部を中心に動かないように包帯などで固定します。安静は局所のみならず全身的なものも含み、体内の循環が活発にならないようにします。
冷却(Ice)
患部を冷やすことで血管が収縮し血流を減少させ内出血を抑えます。さらに、患部周囲の組織の代謝を低下させることにより炎症を抑えることができます。1回のアイシングの時間としては15分〜20分が目安です。ただし、凍傷には十分注意してください。
圧迫(Compression)
患部を包帯やサポーターまたはテーピングなどで圧迫することにより内出血による腫れを抑えます。
挙上(Elevation)
患部を心臓よりも高い位置に上げることにより血液の環流を助けたり、局所の内出血を抑えます。
アイシング
急性期(怪我や損傷の直後から3日間)に患部を冷却することで炎症による痛みや腫れ、熱感を軽減し、症状悪化を防ぐ方法です。特に急性の症状である熱を持った痛みに対して効果的です。
アイシングは、氷嚢やを使って患部を冷やし、前述の炎症による痛みや腫れ、熱感の軽減を目指すと同時に、これらの症状悪化を防ぐことを目的としています。
- 氷水を入れる袋1つを用意します
- 氷水を袋に入れて氷嚢を作ります
- 患部に氷嚢をのせて20分間冷やします
- 20分後、タオルと氷嚢を患部から離し、体温が自然に元に戻るのを待ちます。
- 2時間おきに1〜4を行います。
ここまでを1セットとし、1日に2~3セットを3日間行ってください。