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鵞足炎 _ 膝の内側

鵞足炎(がそくえん)は膝の内側(下方の脛骨の周囲)から5cm程度下方にある鵞足に痛みが生じる障害です。 鵞足とは、膝を曲げたり伸ばしたりする動作に必要な縫工筋、薄筋、半腱様筋 の3つの筋肉の腱が、脛骨の上部に付着している部分を指し、アヒルの水掻きに見えることから鵞足と呼ばれています。この鵞足部分を押す、足に抵抗を加えながら膝を曲げる、膝を一杯まで伸ばすなどの動作で痛みを感じる方は鵞足炎の疑いがあります。膝の曲げ伸ばしを行う陸上の長距離競技、水泳、サッカーなどで多く見られます。

症状

膝の内側、やや後ろ気味の痛み、突っ張り、腫れが主症状です。接地時につんと来るような痛みを自覚することが多いですが、屈伸時に引っかかるような違和感も出ます。 一般的に初期で鵞足部の痛みや違和感に加えて、押すと痛みが出ます。また、階段昇降など膝の曲げ伸ばしにより痛みが増加することもあり、症状が進行することで、何もしていない状態でも痛みを感じることもあります。 スポーツにおいて初期は動かし始めに違和感があっても、ウォーミングアップされて温まると楽になり、繰り返しの動作でまた徐々に違和感が出てきます。症状が進行すると、温まっても違和感が消えず、練習の後半に痛みになって練習を中断するようになり、さらに進行すると、ウォーミングアップ後も痛みや引っ掛かりがなくならず、練習ができないという状態になります。

原因

  • オーバーユース(使いすぎ)
  • 鵞足を構成する筋肉の柔軟性の低下
  • 運動前のウォーミングアップ、運動後のクールダウンの不足
  • 足に合っていない靴、硬い路面での歩行・運動
  • 骨格の異常原因…立ったときに膝が内側を向いてくっついてしまう「X脚」、足首の関節が内側に傾いてかかとが外側へ出っ張る「回内足」では、鵞足部を形成する筋肉が常に引っ張られるので痛みが生じやすくなります。靴底の内側ばかりがすり減るときは、X脚や回内足などの姿勢異常が原因である可能性がかなり高いです。また他にもさまざまな原因が考えられるので、まずは病院(整形外科)へ行く必要があります

    ↓ ニーインの人向け動画

    https://www.youtube.com/watch?v=uZKlPSttwwY

治療

  • アイシング&湿布
  • 運動療法…症状に合わせたストレッチ、リハビリを行っていきます
  • 物理療法 …電気刺激療法により筋肉の緊張緩和を行います。
  • 薬物療法 …消炎鎮痛薬の内服を行い疼痛の軽減を図ります。
  • その他 …症状が長引くものはテーピングやインソールなどを検討します。

整形外科で治療を受ける

患部に強い腫れや長引く内出血が見られる場合などは病気の可能性も疑われるため、病院で適切な治療が必要になります。また、鎮痛剤を使用することで、大会などでどうしても痛みを取り除かなければならない理由がある場合は一時的に痛みを抑える処置をしていただけます。ただし一時的に痛みを和らげるものであり、根本的な治療ではないため、症状がまた再発する可能性があります。

接骨院、整骨院で治療を受ける

患部に関係する筋肉の柔軟性を高めるためにそれらの筋肉をほぐす手技を行い、電療機器を利用することで炎症の早期回復を促すことができます。また、症状の解消だけではなく、体全体のバランスを見て原因を追及するため、体全体の不調を取り除くことができます。

アイシング

アイシング

急性期(怪我や損傷の直後)に患部を冷却することで炎症による痛みや腫れ、熱感を軽減し、症状悪化を防ぐ方法です。特に急性の症状である熱を持った痛みに対して効果的です。
アイシングは、氷嚢やを使って患部を冷やし、前述の炎症による痛みや腫れ、熱感の軽減を目指すと同時に、これらの症状悪化を防ぐことを目的としています。

  1. 手のひらサイズのタオル1枚と氷水を入れる袋1つを用意します。
  2. 氷水を袋に入れて氷嚢を作り、手のひらサイズのタオルを水で濡らします。
  3. 患部に濡れたタオルをのせ、さらにその上から袋に入れた氷水(氷嚢)をのせて20分間冷やします。
  4. 20分後、タオルと氷嚢を患部から離し、体温が自然に元に戻るのを待ちます。
これより短い時間では患部の冷却が足りないため、急性の怪我で期待される炎症を抑制する効果が得られないと言われています。よって適切な冷却効果を得るためには、患部を20分間冷やし、患部を10~15℃程度低下させる必要があると考えられています。1日に2~3回が目安です。

鵞足炎から早期復帰するために

鵞足炎は、炎症だけが原因ではないので、アイシングや湿布で炎症だけをとっても根本的に改善しません。鵞足炎になってしまう原因は、鵞足と呼ばれる部分を構成する、縫工筋、薄筋、半腱様筋が筋緊張を起こし固くなります。それは膝内側部で摩擦を起こすからだと言われています。この筋緊張を取り除かなければいくら炎症をおさめる行為をしても痛みの根本改善にはなりません。 また早期復帰するためには、リハビリをしながらトレーニングをすることで、筋力と体力をなるべく維持させることがとても重要になります。

根本原因へのアプローチ

筋肉の緊張をほぐすマッサージ

鵞足炎は鵞足部を形成する筋肉や太もも・膝まわりの筋肉が緊張して起こる場合が多いのですが、筋肉の緊張をほぐすために行なうのが手技療法(マッサージ)です。マッサージは固まった筋肉の柔軟性を高める効果の他に、関節の可動域を広げることでケガをしにくい身体をつくる役割も担います。

筋肉や腱の柔軟性を高めるストレッチ

鵞足炎では鵞足を形成する筋肉や、太ももの筋肉が硬くなることで症状が悪化するので、ストレッチで緊張を弱めることが効果的です。また、ストレッチにより柔軟性を高めることで腱へのストレス・痛みの軽減をにも効果的です。

足のバランスを整える足底板の装着、インソール調整、適切な靴の選択

靴のサイズや形状が合っていないことで、鵞足炎を発症している場合は、靴のインソールを調整することで、足の負担を軽減することができます。ただし、ここでも間違った靴やインソールを選んでしまうと症状が悪化するため、必ず医師や整体師と相談してください。

鵞足炎からの早期復帰
プログラム6選

①マッサージ

鵞足に加え、太ももやすね周りが緊張し硬くなると動きが悪くなりため、マッサージをすることで動きをスムーズにさせます。

鵞足・太もも・すね周りのマッサージ
1:48 から始まります

②ストレッチ

鵞足を中心としたストレッチを行うことで柔軟性を向上、動きをスムーズにすることで、根本的改善を目指します。

痛点ストレッチ 2:09 から始まります

鵞足3つの筋肉のストレッチ 2:24 から始まります

薄筋を中心としたストレッチ2選
1:33 から始まります

鵞足に関係するの筋肉のストレッチ3選
0:57 から始まります

③筋力トレーニング

ここからは体幹を中心とした筋力トレーニングです。体幹とは、頭と手足を除いた胴体(背、腹まわり)のことで、サッカーをする上でとても重要な筋肉で、足を怪我していても鍛えることができます。 一般的には、体を固定した状態での「体幹トレーニング」も効果的ですが、スポーツする人は、固めすぎはよくありません。動きをコントロールしながら、体を自在に動かす必要があります。特に、サッカーなどの回旋動作に対する安定性、片足でボールタッチしている中で軸足を安定させるために必要な前側・横・後ろ側のトレーニングが必要です。また、腕の筋肉も瞬発力・加速力・フィジカルの向上にとても重要です。

  1. フィジカルコンタクトに強くなる
  2. 体の軸が安定し踏み込む力が増し、強力なシュートができるようになる
  3. 全身の動きを安定化させダッシュスピードが上がる
  4. 体幹部分の筋肉が強い・安定化することで、足の踏み込みの力が増し、スプリントの速度が上がる
  5. 姿勢の改善により、呼吸がしやすくなり、持久力が上がる
  6. 身体のコントロールがよくなることで、ボールのコントロールやプレーの精度が上がる
  7. より高くジャンプできるようになる
  8. 転倒による怪我や肉離れを予防する
  9. トレーニングの効率を高める

体幹を中心とした、様々な筋肉を鍛えることで復帰後のパフォーマンスアップのために頑張りましう!
※痛みが出る場合はすぐに止めてください

サッカーのための体幹トレーニング

スポーツ選手向け体幹トレーニング

④心肺機能(体力)トレーニング

怪我をして1ヶ月休養すると、以前の心肺機能(体力)を取り戻すのに1~2ヶ月かかると言われています。早期復帰を目指す人にとってこの期間は痛手です。心配気機能が低下すると、体内の酸素量が低下しパフォーマンスの低下、心拍出力の低下によりすぐ疲れやすくなります。そのため足を怪我していてもできる心肺機能トレーニングをすることで、早期復帰を目指し、怪我前よりもレベルアップした体を手に入れましょう!
※痛みが出る場合はすぐに止めてください

エアロバイク

エアロバイク

エアロバイクは怪我によって走れない方でも、安全に太ももやお尻の筋肉、心肺機能(体力)を鍛えられます。自宅にエアロバイクがあるという方はなかなかいないはずなので、ジムなどで利用する時には毎回足の位置やサドルの位置を確認しておきましょう。正しい位置を知りたい時には管理人さんなどに聞くのが一番。間違った位置で行ってしまうと、足への負担が大きくなってしまいます。以下が具体的なメニューです。

  1. 400mインターバル走を想定
    60秒 × 10セット リカバリー45秒
  2. 1000mインターバル走を想定
    180秒 × 5セット リカバリー60秒
  3. ペダルの重さについては、脈拍が170程度まで上がる重さに設定してください

水泳

水泳

水泳は全身運動のため、全身の筋肉、心肺機能を鍛えることができます。また、水圧の力でマッサージ効果もあり、疲労の回復にも役立ちます。足が痛い場合は、足にビート板を挟んで手だけで前に進むようにすれば、効果があります。アスリートもプールトレーニングを活用しているので、非常に有効です。以下が具体的なメニューです。

  1. クロールで25m
    10本〜30本ペース リカバリー30秒
  2. クロールで50m
    5本〜15本ペース リカバリー60秒
  3. 目安は8〜9割の力で泳いでください。設定タイムを決めてもいいでしょう。

⑤サッカートレーニング

足を怪我していても、歩きながら、または座りながらボールを裸足で触るだけで繊細なタッチ・柔らかいタッチを得ることができます。裸足でボールを触るということは、ボールの感覚がダイレクトに伝わります。より敏感に肌でボールの重さや感触を体感することになります。それに慣れると、ボールが足に吸い付くようなトラップが出来たり、ドリブルなどのボールコントロールがより繊細になります。サッカー王国ブラジルでは幼少期に裸足でトレーニングすることが普通であり、川崎フロンターレをJ1優勝へ導くチームの土台を作り上げた風間監督も裸足でのトレーニングを取り入れていました。 使用するボールについては、以下を参考にしてみてください。

https://koufu-soccer-story.com/soccer_ball-sense/

※無理はしないでください

※痛みが出る場合はすぐに止めてください

サッカー少年

⑥メンタル

スポーツの世界で優れたパフォーマンスを発揮するためには、メンタル(心)を鍛えることが当たり前になっており、リハビリ時期でも同じことがいえます。リハビリをより効果的に・迅速に復帰する・ケガをする前以上のパフォーマンスのために頑張っていきましょう!

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