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ジョーンズ骨折 (第5中足骨疲労骨) _ 小指の付け根

ジョーンズ骨折は、ランニングやジャンプ動作による過度の体重負荷が、長時間、足部アーチに繰り返し加わることで発生するオーバーユースに起因するスポーツ障害です。金属疲労(金属板の折り曲げ運動)と同様に、繰り返しのストレスが中足骨に加わって起こります。また一般的な骨折とは発生原因が異なり自覚症状が出にくいので、見過ごされることがあります。サッカー、バスケットボール、ラグビーなど素早い動きを繰り返して行うスポーツの競技選手によく発生します。
治療法として、激しいスポーツをするアスリートは多くの場合手術が必要となります。
この骨折は一度骨が治っても、スポーツを再開するともう一度骨折してしまう事が多い(再発)ため、予防として骨の中にスクリューやプレートを入れる必要があります。まだ成長期にある中学生の場合は保存療法で対処します。
スポーツ復帰までに、手術をした場合は2~3ヶ月程度、手術をしなかった場合1~2ヶ月程度かかります。

症状

ジョーンズ骨折では、プレー中またはプレー後に小指の付け根に痛みを自覚することが多いです。
また、運動量が増加するとともに痛みが増悪することがあります。
完全に骨折するまでは、プレーできないほどの痛みでないことが多いのも特徴です。
しかし、ストップやターンなど通常では骨折しないような動作で完全に骨折することがあり、完全全骨折に至ると局所の痛みが増悪し、歩行が困難となることがあります。
中には骨が脆くなっていく過程で、痛みを感じる選手もいれば、特に痛みは感じず完全に骨折してしまってから疲労骨折に気付く選手もいます。

原因

  • トレーニング過多による第五中足骨への疲労の蓄積
  • 硬いサーフェースの問題(人工芝、アスファルトなど)
  • 下肢のアライメント異常(例;足の外側に体重が乗りやすい)
  • スパイクのポイントの位置(自分に合っていないシューズ)
  • 第五中足骨基部への血流が乏しい
  • 第五中足骨基部に靭帯や腱が多数付着している

治療

疲労骨折の治療は保存療法が原則と考えられていますが、保存療法の場合、スポーツ復帰までの期間が長く、また再発のリスクが高いため、トップアスリートや早期に確実なスポーツ復帰を望む場合は、必ずしも保存療法が第一選択になるとは限りません。疲労骨折の原因には、トレーニング内容とともに、アライメント異常(O脚など)などの骨格的問題が関係していますが、骨格的な問題が大きい場合、保存療法によって一時的に治癒したとしても、骨格的問題は改善されないため再発のリスクが残ります。
アスリートに対しては、スクリュー(骨の中にストレスを減らすためのチタン性の補強材)を用いた手術療法を導入して、多くのスポーツ選手を早期に現場へ復帰させます。

整形外科で治療を受ける

軽度の痛みと腫れ以上の症状がある場合は、レントゲンやMRIなど精密検査を行い、医師の診断を受けることが重要です。正しい治療・リハビリを受けずにいると受傷した箇所は正しく治癒せず、可動域の低下・関節の不安定さが残り、結果としてより悪化したり、骨折を繰り返してしまいます。

ジョーンズ骨折から早期復帰するために

早期復帰のためには次の3つが鍵となります

  1. 第5中足骨周囲の関節の可動域向上
  2. 足部の柔軟性向上
  3. 足部、足指、ふくらはぎの筋力向上

1-2では負荷がかかっても衝撃を軽減できるクッション性を向上させ、3では負荷に耐えられる機能を向上させます。
痛みがありうまく荷重できなかったり、引きずるようなべた足で歩いていると、足裏や指はもちろんのこと、ふくらはぎを使う機会が減るので、ふくらはぎ自体も筋力と柔軟性を失ってしまいます。
筋肉の収縮や柔軟性を失った筋肉は足関節の可動域制限の原因になったり長引く痛みの原因となるため、筋肉に対してのリハビリが非常に重要になります。
医師やリハビリ担当者からokがでたらリハビリを積極的に行なっていきましょう!また、早い段階からリハビリや、体幹・下半身の筋力を強化しておくことで、より早くスムーズにスポーツに復帰できます。

ジョーンズ骨折からの早期復帰
プログラム6選

いよいよリハビリ・トレーニングに入りますが、少なくとも術後2週間は、骨折した方の足に体重をかけてはいけません。ここからは一つ一つのトレーニングを医師やリハビリ担当者と相談して行うようにしましょう。

①マッサージ

マッサージは回復を早め、より早期復帰することができます。骨がついた後や術後は安静にしているよりも適度に体を動かしたほうがいいです。患部の周辺を軽くもむ程度で痛みを抑えることができ、筋肉と関節の動きが良くなります。足湯で温めた後やお風呂上りにやると、固まった筋肉が柔らかくなりより効果的です。

足の裏のマッサージ①

竹踏を使ったマッサージ

足の裏に疲労が溜まっていると土踏まずが崩れた扁平足に近い状態になりやすく、着地による衝撃が足裏を構成する骨や筋肉に負担をかけて骨折を引き起こします。足の下に竹を置いて足踏みする運動は足の裏を効果的にマッサージすることができます。足の裏の筋肉が伸びていることを感じるまで、竹を踏み続けましょう。

足の裏のマッサージ②

ゴルフボールを使ったマッサージ

足の裏には足の指を動かす筋肉があります。
指の筋肉は指を動かすだけでなく、身体の重心をコントロールしバランスを良くしたり、足の裏のアーチ(土踏まずなど)を作り、歩いているときなどの足の着地のストレスを緩和する役目もあります。

足部全体のマッサージ 1:09から始まります

②ストレッチ

ここでは、足の裏にかかる負担を軽減するためのストレッチを紹介します。足の裏だけでなく、ふくらはぎの筋肉が硬くなると足の裏にかかるストレスが増えるため、入念にストレッチを行いましょう。また、ストレッチを行うことで血流が改善し疲労が軽減されるため競技のパフォーマンスも向上します。足湯で温めた後やお風呂上りにやると、固まった筋肉が柔らかくなりより効果的です。

足の裏のストレッチ

ゴルフボールを使ったマッサージ

足裏が伸びるのを意識しながら、足のかかとから足首にかけてゆっくり反らします。10回を1セットとして、1日3セット以上を目標に行いましょう。

ふくらはぎのストレッチ

ゴルフボールを使ったマッサージ

右足を前にして、前後に足を開きます。両足ともかかとは床につけるのがポイントです。右膝をゆっくり曲げて、左足のふくらはぎを伸ばしましょう。壁を押しながら行うと、体重が後ろの足にかかりやすくなって効果的です。

③筋力トレーニング

一般的に結合組織が柔らかい人は、足の靭帯の張力が不足し、怪我をしやすくなることがあります。つまり、筋肉を鍛えることが重要なのです。
筋肉を鍛えることで体への負担を減らす上に、競技へのパフォーマンスも向上します。

足の裏、指の筋トレ3選 10~20回を3セット行います

足の指の筋トレ

足の裏のクッション機能を正常に保ち、体の負担を軽減させるためには、足の指を鍛えることも効果的です。足の指を鍛える際は、じゃんけんのグー・チョキ・パーをイメージしながら行いましょう。

  1. グーを作るように足の指をすべて丸めて握り込む
  2. チョキを作るように親指を上に、そのほかの4本を下に広げる
  3. パーを作るように足の指全体を広げる

カーフレイズ

ここからは体幹を中心とした筋力トレーニングです。体幹とは、頭と手足を除いた胴体(背、腹まわり)のことで、サッカーをする上でとても重要な筋肉で、足を怪我していても鍛えることができます。一般的には、体を固定した状態での「体幹トレーニング」も効果的ですが、スポーツする人は、固めすぎはよくありません。動きをコントロールしながら、体を自在に動かす必要があります。特に、サッカーなどの回旋動作に対する安定性、片足でボールタッチしている中で軸足を安定させるために必要な前側・横・後ろ側のトレーニングが必要です。また、腕の筋肉も瞬発力・加速力・フィジカルの向上にとても重要です。

  1. フィジカルコンタクトに強くなる
  2. 体の軸が安定し踏み込む力が増し、強力なシュートができるようになる
  3. 全身の動きを安定化させダッシュスピードが上がる
  4. 体幹部分の筋肉が強い・安定化することで、足の踏み込みの力が増し、スプリントの速度が上がる
  5. 姿勢の改善により、呼吸がしやすくなり、持久力が上がる
  6. 身体のコントロールがよくなることで、ボールのコントロールやプレーの精度が上がる
  7. より高くジャンプできるようになる
  8. 転倒による怪我や肉離れを予防する
  9. トレーニングの効率を高める

体幹を中心とした、様々な筋肉を鍛えることで復帰後のパフォーマンスアップのために頑張りましう!
※痛みが出る場合はすぐに止めてください

サッカーのための体幹トレーニング

スポーツ選手向け体幹トレーニング

④心肺機能(体力)トレーニング

怪我をして1ヶ月休養すると、以前の心肺機能(体力)を取り戻すのに1~2ヶ月かかると言われています。早期復帰を目指す人にとってこの期間は痛手です。心配気機能が低下すると、体内の酸素量が低下しパフォーマンスの低下、心拍出力の低下によりすぐ疲れやすくなります。そのため足を怪我していてもできる心肺機能トレーニングをすることで、早期復帰を目指し、怪我前よりもレベルアップした体を手に入れましょう!
※痛みが出る場合はすぐに止めてください

エアロバイク

エアロバイク

エアロバイクは怪我によって走れない方でも、安全に太ももやお尻の筋肉、心肺機能(体力)を鍛えられます。自宅にエアロバイクがあるという方はなかなかいないはずなので、ジムなどで利用する時には毎回足の位置やサドルの位置を確認しておきましょう。正しい位置を知りたい時には管理人さんなどに聞くのが一番。間違った位置で行ってしまうと、足への負担が大きくなってしまいます。以下が具体的なメニューです。

  1. 400mインターバル走を想定
    60秒 × 10セット リカバリー45秒
  2. 1000mインターバル走を想定
    180秒 × 5セット リカバリー60秒
  3. ペダルの重さについては、脈拍が170程度まで上がる重さに設定してください

水泳

水泳

水泳は全身運動のため、全身の筋肉、心肺機能を鍛えることができます。また、水圧の力でマッサージ効果もあり、疲労の回復にも役立ちます。足が痛い場合は、足にビート板を挟んで手だけで前に進むようにすれば、効果があります。アスリートもプールトレーニングを活用しているので、非常に有効です。以下が具体的なメニューです。

  1. クロールで25m
    10本〜30本ペース リカバリー30秒
  2. クロールで50m
    5本〜15本ペース リカバリー60秒
  3. 目安は8〜9割の力で泳いでください。設定タイムを決めてもいいでしょう。

⑤サッカートレーニング

足を怪我していても、歩きながら、または座りながらボールを裸足で触るだけで繊細なタッチ・柔らかいタッチを得ることができます。裸足でボールを触るということは、ボールの感覚がダイレクトに伝わります。より敏感に肌でボールの重さや感触を体感することになります。それに慣れると、ボールが足に吸い付くようなトラップが出来たり、ドリブルなどのボールコントロールがより繊細になります。サッカー王国ブラジルでは幼少期に裸足でトレーニングすることが普通であり、川崎フロンターレをJ1優勝へ導くチームの土台を作り上げた風間監督も裸足でのトレーニングを取り入れていました。 使用するボールについては、以下を参考にしてみてください。

https://koufu-soccer-story.com/soccer_ball-sense/

※無理はしないでください

※痛みが出る場合はすぐに止めてください

サッカー少年

⑥メンタル

スポーツの世界で優れたパフォーマンスを発揮するためには、メンタル(心)を鍛えることが当たり前になっており、リハビリ時期でも同じことがいえます。リハビリをより効果的に・迅速に復帰する・ケガをする前以上のパフォーマンスのために頑張っていきましょう!

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