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足底腱膜炎 _ 足の裏

足底腱膜炎(そくていけんまくえん)は、かかとの痛みの原因としては最も頻度の高いものです。つま先から踵(かかと)まで足の裏を縦に走っている足底腱膜という分厚い膜における炎症です。炎症を起こす部位は踵付近が多いですが、腱膜の中央や指の付け根あたりにも起こります。朝の起床時に立ち上がりの最初の一歩で踵をついた際に強く痛みが出ることが特徴です。
ランナーに多く見られるスポーツ障害で、サッカー、バレーボール、バスケットボールなど、ランニングやジャンプなどの踏み込む動作が多いスポーツをしている人にも多くあります。一時的によくなっても繰り返すことが多く、走れば走るほど足底の痛みが強くなるといわれています。
スポーツ復帰までに数日~1週間、長引けば数か月かかる場合もあります。

症状

しばしば激しい痛みを感じます(特に朝起きて最初に足に体重をかけたとき)。痛みは、5~10分以内に一時的に解消しますが、その日のうちにまた痛くなることがあります。かかとを蹴り出すとき(歩いたり走ったりするときなど)や長時間の安静の後に、痛みが強くなることがよくあります。その場合、痛みがかかとの下側からつま先に向かって広がります。歩いているときに、足の裏の内側の縁に沿って、焼けるような痛みや刺すような痛みを感じることもあります。
初期のころは運動中に痛いことはあまりなく、運動後に痛みが強くなることが一般的です。

原因

  • 硬いグラウンドやアスファルトの上で練習をしている人
  • ふくらはぎの筋肉やアキレス腱の柔軟性が低下している人
  • 足の筋力が落ちている人
  • 扁平足(足底のアーチがない)もしくは土踏まずが高すぎる(ハイアーチ)、外反母趾、回内足などの足の変形
  • 体重が増えた人、肥満の人
  • クッション性の低い靴を使っている人(靴が合ってない)
  • 疲労の蓄積

治療

  • 安静…まずは、患部の安静を図りましょう。 初期段階であれば2週間くらい安静にしているだけで、ほとんどが改善します
  • アイシング&湿布
  • 運動療法…症状に合わせたストレッチ、リハビリを行っていきます
  • 物理療法 …電気刺激療法により筋肉の緊張緩和を行います
  • 薬物療法 …消炎鎮痛薬の内服を行い疼痛の軽減を図ります。また症状が長引く場合はステロイドや生理食塩水を注射します
  • その他 …足底板(インソール・靴の中敷き)、クッション性の良いシューズを使用します
  • 体外衝撃波治療…衝撃波を患部に照射することで慢性的な痛みの軽減、組織の再生を促します
  • 血管内治療…足底腱膜付着部周囲にできる「異常血管」を詰めることで痛みを軽減する治療です。外来で簡便に行うことができます

整形外科で治療を受ける

まずは整形外科で診断を受けましょう。
軽度の痛み以上の症状がある場合は、レントゲンやMRIなど精密検査を行い、医師の診断を受けることが重要です。正しい治療・リハビリを受けずにいると受傷した箇所は正しく治癒せず、可動域の低下・関節の不安定さが残り、結果としてより悪化したり、治癒しても再発しやすくなってしまいます。

接骨院、整骨院で治療を受ける

接骨院、整骨院で治療を受けることで早期回復を促すことができます。症状の解消だけではなく、体全体のバランスを見て原因を追及するため、体全体の不調を取り除くことができます。
また、関連する筋肉の柔軟性を高める為にそれらの筋肉をほぐす手技や、電療機器を使った施術を行います。急性期の症状が改善した後、下腿のトレーニングを行いバランスよく筋肉をつけ、テーピングなどを行い再発防止につとめます。

RICE処置

ライス処置

安静(Rest)
損傷部を中心に動かないように包帯などで固定します。安静は局所のみならず全身的なものも含み、体内の循環が活発にならないようにします。

冷却(Ice)
患部を冷やすことで血管が収縮し血流を減少させ内出血を抑えます。さらに、患部周囲の組織の代謝を低下させることにより炎症を抑えることができます。1回のアイシングの時間としては15分〜20分が目安です。ただし、凍傷には十分注意してください。

圧迫(Compression)
患部を包帯やサポーターまたはテーピングなどで圧迫することにより内出血による腫れを抑えます。

挙上(Elevation)
患部を心臓よりも高い位置に上げることにより血液の環流を助けたり、局所の内出血を抑えます。

アイシング

アイシング

急性期(怪我や損傷の直後から3日間)に患部を冷却することで炎症による痛みや腫れ、熱感を軽減し、症状悪化を防ぐ方法です。特に急性の症状である熱を持った痛みに対して効果的です。
アイシングは、氷嚢やを使って患部を冷やし、前述の炎症による痛みや腫れ、熱感の軽減を目指すと同時に、これらの症状悪化を防ぐことを目的としています。

  1. 氷水を入れる袋1つを用意します
  2. 氷水を袋に入れて氷嚢を作ります
  3. 患部に氷嚢をのせて20分間冷やします
  4. 20分後、タオルと氷嚢を患部から離し、体温が自然に元に戻るのを待ちます。
  5. 2時間おきに1〜4を行います。
    ここまでを1セットとし、1日に2~3セットを3日間行ってください。

足底腱膜炎から早期復帰するために

1. 早めに治療を受けること

足底腱膜炎は、足底腱膜の緊張が原因です。 一番は、緊張を取るため、早めに治療を受けて頂くことをお勧めします。

2. 痛みが軽減するまで体を休ませる

足底腱膜炎のは、体の使い過ぎ(オーバーユース)により、発生します。
原因となる運動を控える必要があります。

3. セルフケア

足底腱膜炎は日々のケアが重要になります。足底腱膜や、関連する箇所を刺激してあげることで、緊張を取ることで症状を軽減することが出来ます。足の裏においては全体を満遍なく刺激することが重要です。痛みが強いところを無理に刺激しない事です。足底筋膜を中心とした関連する筋肉の緊張を緩め、柔軟性を高めます。

4. 患部のアイシング

患部が赤くなっていたり、腫れていたり、痛みが出ている場合は、アイシングをする必要があります。アイシングは、運動後、お風呂に入ったあとなど一日に2、3回程度を10~15分ほど行うといいです。

根本原因へのアプローチ

1. 足の裏などの緊張を和らげ、柔軟性を高める

足の裏などが緊張状態にあることで硬くなり、柔軟性が低下すると、足底腱膜に強い牽引力(引っ張られるストレス)がかかり、炎症を起こしやすくなります。足の裏など関連する箇所のマッサージ、ストレッチをとりいれ、緊張状態を和らげ、柔軟性アップを目指しましょう。
足底腱膜炎が治りにくいワケは、足底腱膜だけが硬いだけでなく、それに連なる足指、足首、ふくらはぎ、すね、の筋肉や靭帯にも問題があることが多いです。そのため、それらを柔らかくすることで足底筋膜の牽引力を弱めることができて、痛みが緩和することができます。

2. 筋力不足

足の裏に加え、足指、足首、ふくらはぎの筋力が弱いと、足アーチを維持できなず衝撃によるクッション性が弱まり、足底腱膜に負担がかかります。
それらの筋力を鍛えることで改善しましょう

3. 足のバランスを整える足底板の装着、インソール調整、適切な靴の選択

靴のサイズや形状が合っていない、クッション性が悪いことで発症している場合は、靴のインソールを調整することで、足の負担を軽減することができます。ただし、ここでも間違った靴やインソールを選んでしまうと症状が悪化するため、必ず医師や整体師と相談してください。

これらの根本原因などを改善するために、次の早期復帰プログラムに取り組みましょう!

足底腱膜炎からの早期復帰
プログラム6選

①マッサージ

マッサージは回復を早め、より早期復帰することができます。患部の周辺や関連するところを軽くもむ程度で痛みを抑えることができ、筋肉と関節の動きが良くなります。足湯で温めた後やお風呂上りにやると、固まった筋肉が柔らかくなりより効果的です。痛む箇所は避けるようにしましょう。

足の裏のマッサージ①

竹踏を使ったマッサージ

足の裏に疲労が溜まっていると土踏まずが崩れた扁平足に近い状態になりやすく、着地による衝撃が足裏を構成する骨や筋肉に負担をかけて痛みを引き起こします。足の下に竹を置いて足踏みする運動は足の裏を効果的にマッサージすることができます。足の裏の筋肉が伸びていることを感じるまで、竹を踏み続けましょう。

足の裏のマッサージ②

ゴルフボールを使ったマッサージ

足の裏には足の指を動かす筋肉があります。
指の筋肉は指を動かすだけでなく、身体の重心をコントロールしバランスを良くしたり、足の裏のアーチ(土踏まずなど)を作り、歩いているときなどの足の着地のストレスを緩和する役目もあります。
ゴルフボールがなければ、テニスボールを使っても大丈夫です。

足の裏以外に関連するマッサージ 1:57 から始まります

筋膜マッサージ5選 4:53 から始まります

②ストレッチ

ここでは、足の裏にかかる負担を軽減するためのストレッチを紹介します。足の裏だけでなく、ふくらはぎやすね、足首の筋肉が硬くなると足の裏にかかるストレスが増えるため、入念にストレッチを行いましょう。また、ストレッチを行うことで血流が改善し疲労が軽減されるため競技のパフォーマンスも向上します。足湯で温めた後やお風呂上りにやると、固まった筋肉が柔らかくなりより効果的です。

足の裏と関連する筋肉のストレッチ 0:30 から始まります

③筋力トレーニング

一般的に結合組織が柔らかい人は、足の靭帯の張力が不足し、怪我をしやすくなることがあります。つまり、筋肉を鍛えることが重要なのです。
筋肉を鍛えることで体への負担を減らす上に、競技へのパフォーマンスも向上します。

足の裏、指の筋トレ3選 20回を3セットずつ行いましょう

カーフレイズ

ここからは体幹を中心とした筋力トレーニングです。体幹とは、頭と手足を除いた胴体(背、腹まわり)のことで、サッカーをする上でとても重要な筋肉で、足を怪我していても鍛えることができます。一般的には、体を固定した状態での「体幹トレーニング」も効果的ですが、スポーツする人は、固めすぎはよくありません。動きをコントロールしながら、体を自在に動かす必要があります。特に、サッカーなどの回旋動作に対する安定性、片足でボールタッチしている中で軸足を安定させるために必要な前側・横・後ろ側のトレーニングが必要です。また、腕の筋肉も瞬発力・加速力・フィジカルの向上にとても重要です。

  1. フィジカルコンタクトに強くなる
  2. 体の軸が安定し踏み込む力が増し、強力なシュートができるようになる
  3. 全身の動きを安定化させダッシュスピードが上がる
  4. 体幹部分の筋肉が強い・安定化することで、足の踏み込みの力が増し、スプリントの速度が上がる
  5. 姿勢の改善により、呼吸がしやすくなり、持久力が上がる
  6. 身体のコントロールがよくなることで、ボールのコントロールやプレーの精度が上がる
  7. より高くジャンプできるようになる
  8. 転倒による怪我や肉離れを予防する
  9. トレーニングの効率を高める

体幹を中心とした、様々な筋肉を鍛えることで復帰後のパフォーマンスアップのために頑張りましう!
※痛みが出る場合はすぐに止めてください

サッカーのための体幹トレーニング

スポーツ選手向け体幹トレーニング

④心肺機能(体力)トレーニング

怪我をして1ヶ月休養すると、以前の心肺機能(体力)を取り戻すのに1~2ヶ月かかると言われています。早期復帰を目指す人にとってこの期間は痛手です。心配気機能が低下すると、体内の酸素量が低下しパフォーマンスの低下、心拍出力の低下によりすぐ疲れやすくなります。そのため足を怪我していてもできる心肺機能トレーニングをすることで、早期復帰を目指し、怪我前よりもレベルアップした体を手に入れましょう!
※痛みが出る場合はすぐに止めてください

エアロバイク

エアロバイク

エアロバイクは怪我によって走れない方でも、安全に太ももやお尻の筋肉、心肺機能(体力)を鍛えられます。自宅にエアロバイクがあるという方はなかなかいないはずなので、ジムなどで利用する時には毎回足の位置やサドルの位置を確認しておきましょう。正しい位置を知りたい時には管理人さんなどに聞くのが一番。間違った位置で行ってしまうと、足への負担が大きくなってしまいます。以下が具体的なメニューです。

  1. 400mインターバル走を想定
    60秒 × 10セット リカバリー45秒
  2. 1000mインターバル走を想定
    180秒 × 5セット リカバリー60秒
  3. ペダルの重さについては、脈拍が170程度まで上がる重さに設定してください

水泳

水泳

水泳は全身運動のため、全身の筋肉、心肺機能を鍛えることができます。また、水圧の力でマッサージ効果もあり、疲労の回復にも役立ちます。足が痛い場合は、足にビート板を挟んで手だけで前に進むようにすれば、効果があります。アスリートもプールトレーニングを活用しているので、非常に有効です。以下が具体的なメニューです。

  1. クロールで25m
    10本〜30本ペース リカバリー30秒
  2. クロールで50m
    5本〜15本ペース リカバリー60秒
  3. 目安は8〜9割の力で泳いでください。設定タイムを決めてもいいでしょう。

⑤サッカートレーニング

足を怪我していても、歩きながら、または座りながらボールを裸足で触るだけで繊細なタッチ・柔らかいタッチを得ることができます。裸足でボールを触るということは、ボールの感覚がダイレクトに伝わります。より敏感に肌でボールの重さや感触を体感することになります。それに慣れると、ボールが足に吸い付くようなトラップが出来たり、ドリブルなどのボールコントロールがより繊細になります。サッカー王国ブラジルでは幼少期に裸足でトレーニングすることが普通であり、川崎フロンターレをJ1優勝へ導くチームの土台を作り上げた風間監督も裸足でのトレーニングを取り入れていました。 使用するボールについては、以下を参考にしてみてください。

https://koufu-soccer-story.com/soccer_ball-sense/

※無理はしないでください

※痛みが出る場合はすぐに止めてください

サッカー少年

⑥メンタル

スポーツの世界で優れたパフォーマンスを発揮するためには、メンタル(心)を鍛えることが当たり前になっており、リハビリ時期でも同じことがいえます。リハビリをより効果的に・迅速に復帰する・ケガをする前以上のパフォーマンスのために頑張っていきましょう!

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