症状
急性期などでは熱感が見られ、肩を上げていくとき、ある角度で痛みや引っかかりを感じ、それ以上に上げることが難しくなります。悪化するとこわばりや筋力低下なども伴い、夜間痛を訴えることもあります。肩を上げるとき、あるいは上げた位置から下ろしてくるとき、ほぼ60-120°の間で特に強い痛みを感じることがあり、有痛弧徴候(ペインフルアーク)といわれます。
痛みは肩そのものからやや外側に出ることがあり、時に二の腕まで痛みを感じることがあります。しばしば夜寝ている時や、仰向けになった時に痛みが強くなります。その他、手を腰に回す、手を反対側の肩の方へ動かすといった動作で肩の前方に痛みが出やすくなります。
原因
- 肩のインナーマッスルとアウターマッスルのアンバランスによる肩甲上腕関節のバランスの崩れ
- 野球の投手などスポーツによって肩を繰り返し使用するオーバーユース
- 年齢や疲労、姿勢不良など
治療
インピンジメント症候群にはまず飲み薬や注射、リハビリテーションを組み合わせた保存治療が行われます。多くは保存治療で症状が軽快しますが、十分な効果が得られない場合には、骨のこすれを解消するための手術を行うことがあります。
整形外科で治療を受ける
まずは整形外科で診断を受けましょう。
軽度の痛み以上の症状がある場合は、レントゲンやMRIなど精密検査を行い、医師の診断を受けることが重要です。正しい治療・リハビリを受けずにいると受傷した箇所は正しく治癒せず、可動域の低下・関節の不安定さが残り、結果としてより悪化を繰り返してしまいます。
接骨院、整骨院で治療を受ける
接骨院、整骨院で治療を受けることで早期回復を促すことができます。症状の解消だけではなく、体全体のバランスを見て原因を追及するため、体全体の不調を取り除くことができます。
また、関連する筋肉の柔軟性を高める為にそれらの筋肉をほぐす手技や、電療機器を使った施術を行います。急性期の症状が改善した後、患部のトレーニングを行いバランスよく筋肉をつけ、テーピングなどを行い再発防止につとめます。
RICE処置
安静(Rest)
損傷部を中心に動かないように包帯などで固定します。安静は局所のみならず全身的なものも含み、体内の循環が活発にならないようにします。
冷却(Ice)
患部を冷やすことで血管が収縮し血流を減少させ内出血を抑えます。さらに、患部周囲の組織の代謝を低下させることにより炎症を抑えることができます。1回のアイシングの時間としては15分〜20分が目安です。ただし、凍傷には十分注意してください。
圧迫(Compression)
患部を包帯やサポーターまたはテーピングなどで圧迫することにより内出血による腫れを抑えます。
挙上(Elevation)
患部を心臓よりも高い位置に上げることにより血液の環流を助けたり、局所の内出血を抑えます。
アイシング
急性期(怪我や損傷の直後から3日間)に患部を冷却することで炎症による痛みや腫れ、熱感を軽減し、症状悪化を防ぐ方法です。特に急性の症状である熱を持った痛みに対して効果的です。
アイシングは、氷嚢やを使って患部を冷やし、前述の炎症による痛みや腫れ、熱感の軽減を目指すと同時に、これらの症状悪化を防ぐことを目的としています。
- 氷水を入れる袋1つを用意します
- 氷水を袋に入れて氷嚢を作ります
- 患部に氷嚢をのせて20分間冷やします
- 20分後、タオルと氷嚢を患部から離し、体温が自然に元に戻るのを待ちます。
- 2時間おきに1〜4を行います。
ここまでを1セットとし、1日に2~3セットを3日間行ってください。